しつけ基本編 去勢を考える

2019年7月24日

犬を飼い始めるときに想像した犬との生活はどのようなものでしたか?

犬 しつけ トレーニング

多くの人が理想とする犬は、
○部屋では落ち着いている
○散歩では人の横を上手に歩く
○他人や他犬に友好的
○うるさく吠えない
○トイレをちゃんと覚える

確かにこれらが全部出来ていたらとても飼いやすい犬ですね。

さて、それでは【本来の犬の姿】を考えて見ましょう。

野生動物の生きる1番の目的は、自分の子孫を残すことです。

しかし、オスは強くなければメスを手に入れることが出来ません。

そのため彼らは自分の地位を守るために様々な行動をとります。

犬 しつけ トレーニング

1つ目は、自分のテリトリー範囲を広げようとする行動です。

犬は自分のテリトリー範囲にいる時と、他の犬のテリトリー範囲にいる時とでは順位が変わります。

つまり、犬にとってテリトリーというものは非常に重要な意味を持つのです。

いつも外では他の犬に弱気で小さくなってしまう犬も、自分の家に他の犬が近づいてきたときは急に強気になって吠えたりします。

自分たちがいつも住んでいる場所は当然ですが、自分のにおいが強い物の周辺もその犬のテリトリーになります。

散歩へ行くとオス犬は様々な場所に何度もマーキングをするのはそのためです。

出来るだけ目立つよう高い場所に、そして出来るだけたくさんの場所に自分のにおいをつけようとします。

マーキングによって自分のテリトリー範囲が広がり、自分が優位に立てる空間が広がるのです。

2つ目は、自分の順位を上げるために周囲へ挑戦しようとする行動です。

犬はもともと争いを好まない動物です。

しかし、メスを奪い合う時や体の大きさや年が同じくらいのオスが喧嘩を売ってきた時、嫌な事をされて威嚇をしても相手がやめなかったときなどは本気で咬みつきにいきます。

ここまでの話をまとめると、犬とは
○テリトリー内では強気で侵入者に威嚇して遠ざけようとする=吠える
○自分の地位を守るために他人、他犬へ攻撃的な態度をとる=咬みつく
○他の犬に夢中になって電柱に向かって一直線=引っ張る
○あちこちにマーキングする
○マウントする

これらは彼らにとってごく自然な行動であり、本能的に備わっているものです。
トレーニングで行動を変化させることは出来ても犬の意識は変わりません。

犬 しつけ トレーニング

つまり最初にあげた【人の理想】と【本来の犬の姿】との間には大きなギャップがあるのです。

犬が望んでいるかもわからないのに去勢をするのは人間のエゴでしょうか?

しかし、自由ににおいを嗅ぎたい、マーキングしたい、交配をしたい未去勢のオスにとって、人が彼らの行動を管理・制限する事は大きなストレスになることは確かだと思います。

去勢は、彼らが人間社会でストレスなく過ごしていくために必要な事だと思います。

今まで沢山の犬たちを見てきましたが未去勢の犬の多くが興奮度が高いです。(もちろん未去勢でも落ち着いた性格の犬もいます。)

愛犬が未去勢でトイレや引っ張り・吠えの問題で困っている場合は、まずは去勢をすることをもう一度考えて見てはいかがでしょうか🐕☘