私にとって、魅力的な犬

野生の動物は自然淘汰されてゆきます。野生で生きていくということは常に危険と隣り合わせです。自分が置かれている環境に完全に適応できなければその個体は生きていけません。

まず、【淘汰】とはどのように行われるのかをあげてみたいと思います。

生まれたその瞬間から、生存競争は始っています。他犬よりも動作が遅い、乳を上手く吸えない、他にも何らかの欠陥があるとみなされた犬は親犬に放置されるか、攻撃を受けます。

そして次は兄弟犬からの淘汰。肉体的に劣っている犬は、餌を巡る争いで勝ち取る事が出来ません。 十分に餌にありつけない犬はさらに弱っていきます。頭がよければ『自分は弱いのです』と仲間に上手く伝えることが出来、餌にありつけるかもしれません。

しかしそうでなければ集中攻撃を受ける事となるでしょう。弱者、欠陥がある、健全でない個体の生存率は低く、さらに子孫を残せる可能性はほとんどありません。

こうして自然界では変異個体は絶えず淘汰され、優良な遺伝子が残っていくのです。

日々たくさんの犬を見ている中で【雑種の保護犬】と【ペットショップからきた純血種】とでは大きな違いを感じます。

保護犬たちには独特のオーラがあります。そして慎重で賢い子が多いのです。なぜか。これは私の想像の話ですが、野良犬の親はおそらく野良犬であった可能性が高い。野良犬ということは野生で生まれ、そして自分ひとりの力で成長したということ。

つまり基本的な生存本能が備わっているということです。危険だと思ったら逃げなければいけない、水と食料は自分で獲なければならない。あらゆる状況に素早く反応し、正しい判断をくだし、うまく実行していかなければ生存競争に勝てず、すぐに死んでしまうはずです。

つまり野生で生き延びた経験のある犬たちは、『遺伝的に正常である』といえるのではないかと思います。

現代のペットショップ出身の犬たちは基本的な生存本能が備わっていない犬があまりにも多いと感じます。身体的疾患、少し飛び降りただけで脱臼や骨折する。食べても身にならず痩せている。防衛本能の欠如、食べられない物を飲み込む、自分より強い者にためらわず攻撃する。精神的疾患、学習能力の欠如、食欲不振など。

どれひとつとっても野生では生きていけなさそうです。

いつも感じていた、保護犬たちの放つ独特のオーラ。 自らの力で生き抜く能力。 それは生物としてとても魅力的で、私も自然と惹き付けられていたのかもしれません。

一人で生きていく強さを持ち合わせている動物は魅力的です🐎🐿🐒🌳🌳