シャンプーが苦手な犬は沢山います。
高いトリミングテーブルにのせられ、体を抑えて爪切りをされ、スリッカーでとかされ、ドッグバスの中で勢いよくお湯をかけられ、そしてドライヤーの強い風にあてられる。
特にシャンプーが初めての犬にとっては恐怖を感じる体験なのではないでしょうか。
しかし以前から感じていた事があります。それは、トリミングをした犬はする前よりもずっとなついてくれるということです。
トリミングをしている間は不安そうでしたし、きっとシャンプーが苦手な犬にとって楽しい時間ではなかったと思います。
そしてそのなつきかたは通常のものとは違って、かなり積極的な愛情表現であることが多いのです。
特にこわがりさんだった犬は驚くほど友好的になったり活発になったりと劇的な変化があります。
いったいなぜ…?
これはひとつの仮定ですが、もしかすると犬は【ストックホルムシンドローム】のような状態になっているのかもしれません。
ストックホルムシンドロームは恐怖と生存本能における自己防衛のための反応です。
トリミング台の逃げ場がないような状況では、私たちに対して反抗や嫌悪で対応するよりも信頼・好意で対応するほうが自分自身の状況が良くなるだろうという思いからの心理的反応です。
ストックホルムシンドロームとは少し違うかもしれませんが、雪山や無人島での遭難、命の危険があるような極限状態で時間を共にするとお互いの結びつきが強まるということはよくあります。
犬のとる行動は理解が難しい事が多くあります。沢山の犬がトレーニングに来てくれますが、その犬の心理や行動の意味を知るためには様々な状況での反応を見たり、犬の目線になって彼らの感じる事を体験してみたり、今回のように人間にも起こる同じような反応からヒントを得られないかを探ってみたり。
【答え】にたどりつくことはないと思いますが、幅広い知識と探究心、物事をあらゆる角度から見る姿勢でいる事で犬へのより深い理解が得られるのではないかと思います。
今日は雨。
自然界には【1/fゆらぎ】と言うものが存在しています。雨の音、波の音、ろうそくの炎の揺らぎ、私たちの心拍もそうです。
大雨や波の音に耳をすませていると不思議と気分が落ち着つきませんか?
これらの音や揺らぎは生体のリズムと共鳴し、私たちの精神に影響します。
自律神経を整え、リラックス、ヒーリング効果があるとされています。
さて、雨の日。犬たちは何を思って過ごしているのでしょうか。
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