ルールに従う事は、自分の身を守る事

犬社会には厳密なルールが存在します。かつての犬たちは礼儀正しく、争いを好まず、群れの安定を大切にし、相手の動きを実によく観察する賢く優れた動物でした。

しかし現代の多くの犬たちは、群れ意識、協調性がかなり欠如しているように思います。

群れで生きる動物は群れの安全や存続のために、時に自分の要求をおさえる必要があります。それは犬同士の群れでも人の群れの一員だとしても同様に必要です。

どこに行っても、『自分勝手に好き放題に振る舞う』のでは受け入れてもらえません。

犬たちはまず第一に、『この世界で生きていくにはルールを守らなければいけない』のだということを知る必要があります。一見当たり前にように思える事ですが、多くの犬はその事を知りません。『好きな事を、好きな時に、好きなように行動するのが当たり前。』思い通りにならないと大暴れしたり、吠えたり、噛み付いたりと反抗する犬を沢山目にしてきました。

日本ではしつけをするという意識がある飼い主さんが少ないです。自分の犬が人に唸ったり噛み付いてもあまり気にしていないという人もいます。

成長するまでに周りとの調和を保つという基本的なルールを学ぶ機会がなかった犬に『自分の要求を抑える』事を教えることは可能ではありますが、犬が受け入れるまでに一時的に大きなストレスがかかります。

だからこそ問題行動がおこる前、仔犬の頃にルールに従う事の重要性、ルールを守る事は自分の命を守る事でもあるのだという認識を自然と身につけてほしいのです。

しかし、人が犬に対してルールを守る事の重要性を教えるのはかなり難易度が高いといえるでしょう。 なぜならば、人は徹底して一貫した行動をとることが出来ないからです。 タイミングも、動きも、表現方法も毎回同じように反応することができなければ犬には伝わりません。

おそらくルールを守る重要性を教える役は年長の賢い犬に任せた方が上手くいきます。 犬の反応や注意するタイミングは素晴らしく、仔犬をうまくしつけてくれます。

一度ルールを守る事の大切さを知った犬は、場所・環境・リーダーや群れのメンバーが変化したときでもその状況にあった行動を自分で考え、そして実践することができます。

それが上手く生きていくためのコツでもあります。私たちのルールを犬に守ってもらいたい場合は、犬へ分かりやすく伝えるような配慮が必要です。

時と場合によって反応が違うようなリーダーには犬も信頼をおいてはくれません。我が家のルールを大きく紙にかいて貼っておきましょう。そして家族全員で徹底してやること。群れを率いるリーダーは一環した行動をとるものです🐕🐕