犬に思いを伝えるために必要なコト

2019年9月2日

犬 しつけ トレーニング

私たちドッグトレーナーの仕事は犬をトレーニングする事、そして今後の犬とのより良い過ごし方を飼い主さんに伝える事です。

3週間のトレーニングの効果がそのまま継続していくかどうかは、その後の飼い主さんの犬への接し方にかかってきます。

家に帰ってからトレーニングを実践してもらうためには、犬の卒業時に話しの内容をしっかりと記憶していただく必要があります。

さて、人に何かを伝える方法はどのようなものがあるでしょうか。

まずは、聴覚による方法です。 つまり言葉で伝える方法です。

1番代表的である方法ですが、実は言葉だけで説明した場合、話しの内容をその場では理解できていても卒業を終えて家に着く頃にはほとんどの事を忘れてしまいます。

次は視覚による方法です。

犬へのコマンドの教え方やトイレのしつけの説明をする時は、私たちが実際にやっているところを見てもらいます。すると言葉だけの説明よりもずっと記憶に残ります。また、重要なポイントだけでも紙に書いて渡すだけで口頭で伝えた内容を後で思いだす事が出来ます。聴覚に視覚をプラスすると理解度はぐっと深まります。

最後に行動による方法です。

私たちがトレーニングをしているのを見るだけでは帰ってから実際にやる時にどのように行っていたか細かい事は忘れてしまう事があります。

見るだけではなく、その場で一緒にトレーニングをやってみて感覚を覚えておけば帰ってからも同じようにできます。 自分が実際に経験した事はしっかりと記憶に残ります。

相手に何かを伝えたい時は“分かりやすく、記憶に残るような”工夫をしていかなければなりません。

人に分かりやすく伝える事が出来なければ、違う生き物の犬に対してはもっと難しいでしょう。人に対しても、犬に対しても、伝えたい事をわかってもらうためには相手への気遣いが必要です。 自分本位の伝え方では相手に上手く伝わらず、なんだかスッキリしない不満足な結果になってしまいます。

犬 しつけ トレーニング

人に伝える時に様々な方法があるように、犬にスワレやフセなどの指示を教える場合も多くのやり方があります。

例えば、

フードによって誘導する

他の犬が覚えている指示を見せる

犬が望んだ行動をした時にそれに応じた指示の言葉をつける(座った時に『スワレ』など)

リードや体への接触によって望ましい形をつくる

望ましい行動をしている時におやつをあげて強化する など

またはこれらの組み合わせによって教えます。同様に、好ましくない行動を犬にやめてほしい時の伝え方も沢山あります。

様々の方法がある中で、自分が【どのような方法を使って何を伝えたいのか】を明確にする事が重要です。

しかし多くの飼い主さんは、犬がまだ覚えていない言葉を何度も繰り返したり、一貫した行動をとる事が出来ずに犬を混乱させてしまっています。

『犬が言う事をちっとも聞いてくれない!』という方は以下のことをきちんと出来ているか振り返ってみましょう。

1.伝えたいことがある時は、まずは自分の中でポイントをひとつにしぼります。

2.どのような方法で伝えれば相手が分かりやすく、そしてより記憶に残るのかを考えます。

3.実際相手に伝える時は自分自身が冷静になり、精神状態を落ち着けます。

何をどのように伝えるのかがしっかり決まっていれば、相手も真剣に向き合って聞いてくれるはずです。

よりよいコミュニケーションをとるために必要なのは“どうすれば相手に伝わりやすいのかを考える事”、そして繰り返し伝える“根気”です。

犬 しつけ トレーニング