日々膨大な情報が入ってくる中で脳がパンクしないでいられるのは次から次へとはいってきた情報を忘れていくからです。
長く覚えている必要がないと判断した記憶は通常3〜4日で消えていってしまうものです。
記憶に強く残る出来事とはどのようなものか、そして意識的に長期記憶をするにはどのような工夫をすればよいのでしょうか。
まず、長期的に記憶される事を2つあげたいと思います。
1つめは【日常的に起こらない事を体験した場合や大きく心を揺さぶられた体験】です。
例えば、すれ違う際に人に蹴飛ばされたという経験をした犬はその記憶が強く心に刻まれます。それ以来ずっと、『人をみると吠えるようになってしまった』という犬もいます。
また、普段はもらえないようなご馳走をある人からもらった場合、その人の印象も強く残ります。その人を見るとまたご馳走がもらえる事を期待して大興奮することになるでしょう。
2つめは【定期的に繰り返し行われる事】というのも記憶に強く定着します。
これは記憶するための基本です。一度や二度では当然記憶には残りません。犬に望む行動や止めて欲しい行動がある場合は一貫した態度で毎日繰り返し伝え続ける必要があります。
犬は行動を習慣化するのがとても得意です。一度理解すればその後はずっと継続してくれるでしょう。
これまでの話で、とても印象的な出来事と繰り返し起こる出来事については長期的な記憶として脳内に残る事が分かりました。
そしてもうひとつ、犬・人同様に記憶力に大きな差が出てくるとても重要な事があります。
それは人が誰かに対して何かを教える場合、【教える立場の人が好かれているかどうか】です。
脳は面白いもの・興味のあるものに関してはスポンジが水を吸い込むようにどんどん記憶していきます。
自分が興味のない人は、その人が話している内容にも興味が持てないため、脳は記憶しようとしません。また好きな人と一緒にいる時は精神的に前向きになるために記憶力も集中力もあがります。
前向きな気持ちでいることは、学習に実に大きな影響を与えます。性格の明るい人はドーパミンというホルモンの分泌が活発です。ドーパミンは意欲・学習に関係するホルモンです。
ドーパミンが多く分泌されている人は性格が明るいだけでなく思考力に優れ、アイデアがどんどん湧いてくる人たちです。何かの分野で一流になっている人は明るくて前向きな人たちが多いのもうなずけます。
少し話はそれてしまいましたが、楽しいという気持ちで学習した内容は記憶の中に強く残りやすいのです。
犬にコマンドなどを教える時は、まずは犬との関係作りからです。
犬が一緒にいたいと思う人は、分かりやすく、楽しみを沢山与えてくれる、そして頼りになるような人です。
犬がワクワクした瞳で見てくれるようになったら、犬がコマンドを覚えるスピードも格段に速くなるはずです😍💗
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