叱る前に、元気で友好的な犬に成長させることを意識しましょう

犬を怒鳴りつけたり、ムチのするどい音を聞かせたり、首まわりを刺激したりという一見荒っぽいしつけ方法。

このようなしつけは陽性強化を推奨するトレーナーの方々にとってはただの虐待として判断され、話し合いの対象にすらならないかもしれません。

理由としては、【攻撃的な罰則は犬に恐怖心を与え、攻撃性を悪化させる危険性があるものだから】というようなものです。

確かに威圧的な態度をとるべきではない、または意味をなさない犬たちも多くいます。社会化不足などで怖がりになってしまった犬の咬みつきは自分の身を守る最後の手段です。逃げ道がない状態の犬にさらに追い打ちをかけるような威圧的な態度は犬の怖がりをより深刻なものにしてしまうでしょう。社会化不足、人間不信、引っ込み思案の犬には威圧的な態度をとるべきではありません。

強く叱っても良い犬は、心身ともに健康的な犬たちです。 いつも元気いっぱいで明るい犬ほど、きっちりと叱るときは叱らないとどんどん行動はエスカレートしていき、わがままになってしまいます。

とびつき、要求吠え、ひっぱりなど人間社会で生きていく上で好ましくない事を犬に止めさせたい時は、犬にわかりやすいようにかなり強めに注意します。私は犬がうるさければクレートを叩くし、飛びついて欲しくないときにとびついてきたら膝で蹴りをいれておろします。

好き勝手な振る舞いは周りの人に迷惑になります。今は言う事を聞く時間なのだという事をきちんと伝えれば犬たちの態度はガラッと変わります。この叱る強さが弱かったり、おやつで止めさせようとする、犬が落ち着くのを待つといったような方法は犬にとって分かりづらいようです。

1日の中で何回かはこのような緊張感を持ち、人の言う事を聞かなければいけないという場面があるということを理解している犬はメリハリがあって、安定した素晴らしい性格をしています。犬もきちんとTPOをわきまえる事ができます。

性格によって【強く叱る】という行為は犬にとって良い影響を与えるというのは自分の犬を見ていて実感しています。 中途半端なルールは混乱を招き、犬にとってストレスになります。もちろん、もともとの性格が大人しく、穏やかなイヌであればわざわざ強い態度をとって緊張感を作り出す必要はないと思います。

叱るという行為には注意も必要です。 仔犬の頃から、叱る事で良い子にしよう、抑えつけようという意識は間違っていると思います。 なぜなら幼い頃から日常的に威圧的な態度や大きな声を聞かされた犬、攻撃的な態度をとられた犬は臆病・人間不信・攻撃性の高い犬になる可能性が高いからです。 仔犬の頃はその犬が成長して欲しい姿を想像して、自分がそのような振る舞いをするようにしましょう。

多くの人は穏やかで落ち着きのある犬を求めている一方で、興奮度の高い犬や攻撃的である犬をつくりだそうとしています。犬に穏やかでいて欲しいと思うなら、まずは自分が穏やかな態度でいることです。生後5ヶ月頃までの犬はあまり叱らずに、とにかく沢山の経験をさせてあげることが大事です。たっぷり運動して、においを嗅いで、犬と人の遊び仲間をたくさんつくる。

沢山の経験を経て、自立した賢い犬たちは、【本気で叱る事】を意味のある言葉として受け取ってくれることでしょう。他人に咬みついたり、吠え続けたりする犬を沢山みかけます。人間の子どもでいうと友達を叩いたり、電車で大騒ぎしているような感じでしょうか。

そんな子どもは周りに迷惑ですし、本人にとっても今後いいはずがありません。親は子どもの振る舞いに対して責任をもって注意するべきです。

トレーニングを受けていない犬は、状況に合わせて行動するという意識が欠如しています。自分の犬にはイケナイことはイケナイのだと真剣に向き合って教えてあげる必要があります🐸🍃🍃