退化による進化

生物は周りの環境に合わせて自身を変化させ、環境に適応させることによって生き延び、数を増やしてきました。

世代によってその種の性質は刻々と変化しています。

つまり同じ種であっても、昔と今ではあらゆる面で違っていると言えるでしょう。

野生で生きる生物の場合、一般的に生存能力の高い個体が子孫を残すことが出来る事が多く、種全体の能力は高まっていきます。

犬の姿が固定化されずにこんなにも多様多種になったのは、【生存能力が高い個体で自然交配が行われ子孫が生まれてきた】訳ではなく、人間の手によって見かけや大きさ、飼いやすさ、扱いやすさなどを重視され交配をコントロールされてきたからです。

進化は必ずしも”進化”ではありません。地中で生活するモグラの目が退化していることも進化であるように、進化は必ずしも器官の発達や複雑化をさすわけではないのです。

犬の場合、野生で生きていた犬と比べて現代ペットとして飼われている犬たちは体が弱く、知能が低く、自分を守る本能もかけている場合が多く見られます。これは退化と呼べるでしょう。

しかし弱い生き物を守りたいという人間の欲求に答えるポジションにつくことによって数を増やすことに成功しているという点では進化ともいえるかもしれません。

全体としてみて、この状況は犬にとって良いのか、悪いのか。

それは分かりませんが、多くの生物とは違う道を辿っている【犬】という種は大変興味深い存在です。

ちょっと短いのでおまけのお話し。

ビジネスでは10人中10人が「それいいね!!」と言うような戦略はすぐに捨てろ。と言われています。

一見非合理で、「人にこれどう思う?」と聞いて「そんなのうまくいくわけ無いじゃん」と言われるような戦略にこそ成功の鍵があります。

全員が間違いなく『良い』と思うような市場は当然ライバルが多く参入し、競争が激化します。熾烈な価格競争では大手には勝てません。

中小が狙うはニッチな市場。生物でいうと自分のテリトリー。ペンギンの祖先は飛べたそうです。しかし、飛ぶことをやめ、冷たい海での泳ぎに特化する事で自分たちの生き残るグラウンドを手に入れました。

生き残り戦略は、合理性ばかりを追求してはいずれ追い込まれます。

一見非合理な戦略こそ、生き残り、繁栄する鍵❄🐧🐧🐧🐧❄