散歩で引っ張る犬がいます。
ドッグキャンプでお預かりした場合、引っ張りの原因にもよりますが、大体の場合3日間程度はひっぱらせたまま犬の好きなように歩かせます。(問題行動矯正のドッグキャンプの期間は3週間以上)
なぜか。
はじめてキャンプに来た犬たちはとても緊張しています。
緊張と不安でいっぱいの時に『ああしろ、こうしろ』と言われても、犬たちはそれどころではありません。
自分のおかれた状況を理解することに一生懸命で冷静に人間の要求を聞く余裕がありません。
まずは私という人間がどういう存在なのかを理解してもらうこと、新しい群れでのルールや、他犬の順位やコミュニケーションのとり方などを学んでもらう必要があります。
犬の精神状態が安定し、環境に馴染むまでは本格的なトレーニングは始めないのです。
散歩では引っ張り、クレートに入る時は大暴れ、物音には敏感に反応し吠え、ドッグランでは震える、これらの行動は大体3日程度で落ち着いてきます。
犬が落ち着くまでは出来るだけ犬を相手にしないようにします。
声掛けやボディタッチは犬の自立を妨げます。トレーニングの序盤で可愛がるのは絶対NGです。
犬に興味をもってもらえない人は犬にいうことを聞いてはもらえません。
リーダーの凛としたオーラを感じてもらい、犬にわかりやすいように一貫した行動をとるようにしなければいけません。
例えば散歩であれば短めにリードをもって、同じペースで、声をかけずに淡々と歩きます。
シンプルに、わかりやすく、一つのことに絞って犬に伝える事を心がけます。
すると、はじめは大暴れしながら歩いていた犬でも徐々にペースを合わせてくれるようになります。
犬は分かりやすい人が大好きです。トレーニングは焦ってもうまくいきません。
最初は犬のペースに合わせて、そして伝えたい事を明確にし繰り返し伝える事が大事です。
今回のまとめ
○トレーニングをはじめる前に犬の精神状態が落ち着いているかを確かめましょう。
○まずは信頼関係を結ぶ事。犬に興味をもってもらえる、わかりやすい人になりましょう。
○物事を理解するには時間がかかります。何度も繰り返し伝えてあげましょう。
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